りんご新聞第16号【日の出から日没の作業】

一年でいちばん忙しい季節がやってきました!

ぶどう農家にとって、一年で最も慌ただしい季節が始まりました。房を小さく整える「房切り」から、種をなくすための「ジベレリン処理」、形や質を揃えるための「粒抜き」、そして「袋かけ」まで、一日中フル稼働の毎日です。

この時期、私はカーテンを閉めずに寝ています。朝日で自然と目が覚め、そのまま畑へ。夜は暗くなるまで作業をして、気がつけば日が変わっている…そんな生活が続きます。大変ではありますが、それだけ真剣に果実と向き合う季節です。

中でもジベレリン処理は、年に一度、たった3日ほどしか適期がありません。ここを逃すと、種が残ってしまったり、粒が思うように育たなかったりするため、毎日天気と相談しながら、緊張感のある作業が続きます。

幸い、今年は全体的に生育が順調です。りんごや梨も少しずつ実がふくらみ始め、ぶどうもしっかりと成長しています。ハウスのシャインマスカットはすでに袋かけが終わり、7月下旬の出荷を目指してじっくりと熟成中。その間に路地のぶどうの袋かけも進めなければならず、気が抜けません。

毎年のこととはいえ、袋をかけたあとに「ちゃんと実ってくれるかな」と不安になるのは、農家の性(さが)です。収穫のときに、ずっしりと重みを感じるぶどうを見てはじめて、「よし、今年もいいのができた」と少し安心できるのです。

今年も、皆さまに「美味しい!」と笑顔で言っていただける果物をお届けするため、休むことなく畑に立ち続けています。どうぞ、私たちの思いが詰まった果物を味わっていただけたら嬉しいです。