種無しぶどうに欠かせないジベレリン処理の安全性

ジベレリン処理

今回は種なし栽培にかかせないジベレリン処理についてです。

ぶどうの種をなくすには

ぶどうは元々種のある果物です。3倍体のハニーシードレスなどまれに生まれつき種のない品種もありますが、ほとんどのぶどうには種があります。
そんなぶどうの種をなくしてしまう技術がすでに日本では確立されています。
ぶどうを種なしにするには、一年の最初の剪定(木を切り整える作業)から始まります。
ぶどうは木の勢いが強いと種が入りづらい性質を利用し、本来有核(種あり)栽培では7芽や5芽残して剪定するところを、なんとなんと基本1芽に剪定します。するととても強い枝が出てきてあまり種の入っていないぶどうができます。
この記事をお読みの方の中にも種なしぶどうと書いてあるのに種が入っていてがっかり。。。そんな経験をした人もいるかと思います。
そう、あくまで剪定ではあまり種のないぶどうであって完全ではないのです。
そこでより種なし化率を上げるために剪定にて(せいぜい70%程度)種をなくし更にストレプトマイシン液剤で90%近く種をなくします。

ストレプトマイシンとジベレリン

ストレプトマイシンは結核の治療にもつかわれる抗生物質でありますが、それをぶどうの開花14日前に散布すると、剪定と合わせて90%近く種なしにする事ができます。
しかしこれでも90%であって100%ではない、食べるときにたまに種のある一番食べづらいぶどうです。
そこで今回の主役ジベレリンの登場です!!
ジベレリンには種をなくす効果と、ぶどうの粒を肥大(大きくする)させる効果があり、これらを合わせる事により100%種のないぶどうを作ります。
種のなくなったぶどうは、本来種がぶどうの肥大を命令する司令塔みたいなものでその種がないのでこのままでは、5g程度の小さいぶどうしかできません。
しかしジベレリンは、もともと種が出すホルモンみたいなものでそれを外から伝えてあげることで種がなくても大きく、さらに種がなくなった事で食べやすくなるのです。

このジベレリン処理、言うは易し行うは難し、畑になっているぶどう一つ一つにカップに入ったジベレリンの液体をつけなければならずかなりの労力が必要とされます。
しかもこのジベレリン処理の時期は長野県では、梅雨時期にあたるため処理をしてもすぐに雨が降ったらやり直し、、、
と悲惨な結果になるひともいたり、、、
想像するだけで恐ろしい、、、
さらに湿度が低いとまったく効果がなかったり、、、
とにかくとても大変な作業なのです(;_;)

ジベレリン処理を効率的に行うために

そこで果実の森では、ジベレリン処理と同時にぶどうに傘をかけてあげます(^o^)
ぶどうに傘をかけてあげる事でジベレリン処理をした後すぐに雨が降っても大丈夫!しかも雨があたらなくなるため病気も減り農薬も削減できます。
こうして一つ一つ農薬を減らす努力をしています。

種なしにするだけでも、・剪定・ストレプトマイシンの散布時期・ジベレリン処理の時期、濃度と多数の技術が必要で、なかなか大変なものです、だからこそ苦労して作り上げたぶどうを食べた人には笑顔になってもらいたいです(^o^)
是非果実の森のぶどうを食べて感想をお願いします!最後は宣伝でした!笑