内陸気候、豊富な日照、豊かな水が美味しい果物を作る?!
長野県は、四方八方を高い山に囲まれていて、山のふもとの豊富な地下水や、湧き水、川の水を使い、さらに内陸気候なため、昼夜の寒暖の差が尋常ではないくらいにあります。
果実は昼夜の寒暖の差が大きいと甘みや旨みが増すと言われています。
そこにきて果実の森がある上田市では年間降水量が全国でも一番少ない地域です、雨が少なく豊富な日光そして水で育つ果実が美味しくないわけがありません。
とここまでは一般的な地理的要因についてですが、普段詳しく説明する機械もあまりないのでここではもう少し深い所の説明をしたいと思います。
- 土作り
- 肥料
- 水
- 除草剤
- 農薬
1、土づくり
[梨園にびっしりと生えたタンポポ]
土づくりとはなんの為にするのか?具体的に何をするのか?どんな結果がでるのか?
「なんの為にするのか」
土には水を保持する力、肥料を保持する力、有機物を分解する力、大きく分けるとこの三つの力をもっています。それらもその土地によって千差万別で、土壌検査などの化学的な検査により数値として見るとによりはっきりとわかります。
水はけが悪い土、肥料を保持できない土、等々色んな土があるわけですがそれらの土の性質を園地ごとにしっかりと把握した上で最大限にその土の力を引き出すために行います。
肥料を一杯持っている土にさらに肥料をあげすぎると色々な障害がでてきますし、肥料代の無駄にもなります。
「具体的に何をするのか」
果樹栽培ではSS等の農薬散布機械により土が硬く押し固められてしまいます。そのため木が根っこを張りづらくなってしまい生育が悪くなる。そうすると生育が悪いため窒素肥料を過剰にあげる原因にもなってしまいます。
そんな悪循環にならない為に、土壌深耕といって穴を掘り固まった土をほぐしてあげる作業をする人もいるのですが、そんな作業を毎年やるわけには、労力的にも金銭面でも苦しいので、そんな苦労をしないためにも大切なのが植物の根やもぐらであります。
植物の根とモグラによって土をほぐしてもらい木も根をはりやすくする。そしてその草もまた栄養となり土に戻りの循環ができていきます。
またあまり知られていないので補足しておくと植物は有機質は吸収する事はできません。有機質を微生物に分解してもらい無機質にしてもらって初めて吸収できるのです。なので土の微生物が大変重要になってきます。
そして良い土とは、保肥力があり、水はけがよく、草が生え、モグラがいるこんな土です。
「そのために果実の森で行っている土づくりは」
まず土をやたらにいじらない、そして草を生やして草の根で土を掘ってもらい、その草がかれたところに空気が入り、さらに有機質が豊富な土にもはモグラもやってきてさらに土を起こしてもらい、空気が入り木はより根を張れ、元気に丈夫に育つことができる。
結果、土壌改良とは人によって定義はばらばらかもしれませんが、作物がしっかりと根を張れ、肥料をたくさんあげなくても本来土が持ってる力を最大限に生かし、徒長した軟弱な木ではなく、どっしりとした根の張った植物体を育てる為に行います。
そうすれば管理作業の省力化、農薬代の節約、肥料代の節約、そして何より品種本来の美味しい果物が収穫できます。それがまた難しいのですが、、、笑
「肥料」
果実の森で使用してる肥料は主に地元の企業の野菜残渣から作られる堆肥や、地元の養鶏場の鶏糞を使用しています。 この野菜残渣だけの堆肥も珍しく、普通の牛ふん堆肥などとくらべ肥料分は少ないのですが、そのぶんミネラルが豊富で、このおかげで美味しいものがよりおいしくなります。
「水」
果実の森では、畑の灌水に菅平高原からのミネラル豊富な湧き水が集まってできた川の水を使っています。 この川の水も周りの山々に濾過され、綺麗でミネラル豊富の水です。
「除草剤 」
果実の森では、木の周りへの除草剤の散布はいっさい行っていません。 除草剤をまくと、たしかに管理作業などが各段に楽になるため、大多数の農家の方が使っているのが現状です。しかし除草剤は土にすむ微生物を殺してしまい、土を殺してしまい、本来の味が出せないと考えています。
果物を作るのではなく、美味しい安全な果物を作ると考えるならば、自然と除草剤は使用できません。